今回は「北総の小江戸」といわれる佐原(千葉県香取市)を訪ねて、季節の花菖蒲と古い町並みを取材してきたのでご覧いただきます。

千葉県と茨城県の県境を画しながら流れる利根川の左岸は茨城県ばかりと思っていたら、そこに千葉県香取市の一部が入り込んでいます(右の地図ご参照)。

おそらく、昔の利根川がこの辺りでは茨城県寄りを流れていたことによるものと思われますが、もう少し上流でも我孫子市(千葉県)側に取手市(茨城県)の飛び地があったりします。


(…と話が横道に逸れましたが)その香取市の飛び地に「水郷佐原あやめパーク」という市立の水生植物園があって、この時季には約400種150万本の花菖蒲が咲き誇ります。
毎年、5月下旬から1ヶ月間ほど「あやめ祭り」が開催され3万人を超す来場者で賑わいます。
花殻を摘むお姉さん達が被っているのが「あやめ笠」と呼ばれる田笠で、橋幸夫さんの名曲「潮来笠」の由来ともなりました。


あやめ祭りの期間中は、小舟(サッパ舟)で園内を巡ることができるほか、十二橋巡りの遊覧船やお隣の水郷潮来あやめ園との間でシャトル船も運航されています。


この日は梅雨とは思えない日差しに灼かれて早々に退散し佐原の旧市街へ回りました。
佐原は利根川とその支流の小野川に沿って開けた町で、江戸時代には河川商業の中心地として発展しました。
地方都市ながら江戸に勝るとも劣らない賑わいを極めたことから「小江戸」と呼ばれた当時の面影が今も大切に保存され、川越や栃木(どちらも蔵の町として有名)とともに「関東三大小江戸」ともいわれています。
画面奥の赤レンガの建物(↑)は三菱銀行佐原支店の旧本館です。大正3(1914)年の建築で、県の有形文化財に指定され、町並み交流館の一部として保存活用されています。

右の写真(→)は2002年に撮影したもので、左側に隣接する建物は(当時の)佐原支店新館ですが、現在は町並み交流館になっています。

それにしても、三菱銀行が当地にこれだけの支店を置いたというだけでも、佐原の隆盛振りが伺われます。
当時の隆盛を今に伝える河岸問屋、醸造元、商家といった情緒溢れる建造物が軒を並べ、重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)にも指定されています。
最近、こうした古民家や蔵をリノベーションしたホテルを各地で見かけるようになりました。







     
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